キリスト教式の結婚式でのハイライトシーンの一つに挙げられるのが、結婚指輪の交換。
指輪交換をするときの手順や決まりごと、また結婚指輪そのものの由来や歴史などをこのページでは紹介しています。
結婚指輪の歴史
結婚指輪や指輪の交換はいつからあるのか?
結婚指輪の歴史は古く、ローマ時代までさかのぼることができるようです。
古代ローマでは指輪は認印指輪(みとめいんゆびわ)として用いられ、結婚指輪をはめていること=「家財に対しての権利を妻が有していること」を表していたといいます。
また、古くは飾り気のない鉄の指輪でした。
2世紀頃から純金製の結婚指輪に代わっていったといわれています。
そして11世紀頃にはキリスト教会の儀式と結びつき、結婚式のときに指輪を交換する風習が生まれたといいます。
現在では、金やプラチナをもって愛の純潔をあらわし、指輪の環状の形が永久の愛を表します。
この結婚指輪をつけることや結婚式で指輪を交換するならわしは、日本へは江戸時代末期に入ってきて、一般化したのは高度経済成長後や戦後といわれています。
結婚指輪と婚約指輪の違いにまつわるあれこれ
結婚指輪と婚約指輪の相場
結婚にまつわる指輪というと、結婚指輪以外にも婚約指輪があります。
婚約指輪を贈る風習はヨーロッパで始まり、アメリカを経由して明治期の日本に入ってきました。
ただ結婚指輪とは違い、日本で普及したのは高度経済成長期の頃です。
また、婚約指輪というと一定年齢以上の方は給料の3ヵ月分という相場を思い出す方がいるのではないでしょうか。
実は、『婚約指輪は給料の3ヵ月分』というフレーズは、ダイヤモンド会社のキャンペーンによるものです。
このキャンペーンが功を奏したのか、1970年代から婚約指輪にダイヤモンドをはめたものを贈る風習が一般化していきました。
もっとも、注意したいのは「現在の相場は給与3か月分ではない」ということ。
当時とは、ドルの為替相場も給与水準も異なります。
結婚する方の年齢によって前後しますが、おおよそ30万円~40万円くらいが相場だといわれています。
なお、結婚指輪の相場は、ふたり分を合わせておおよそ20万を超える程度だそうです。
そのほか、結婚指輪と同様に婚約指輪を贈りあうこともおかしなことではありません。
婚約指輪は、必ずしも男性が女性だけに贈るものとは限らないのです。
ただし、男性に贈る場合はエメラルドは男性向けではないとされていたり、独自のお約束があります。
また、女性から贈る場合は、カフスボタンやネクタイピン、時計なども通例として適当とされているようです。
結婚指輪と婚約指輪の重ねづけ
婚約指輪はシンプルなことが多い結婚指輪と違い、より装飾性が強く華美な傾向もあります。
また、ダイヤモンドが現在はスタンダードですが、誕生石を贈ることも珍しくはありません。
そうした傾向があるため、婚約指輪のほうが相場が高いのも頷けます。
婚約指輪は身に着ける機会が少ないのに値段は高い、とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結婚指輪と婚約指輪を重ねづけすることも、珍しくありません。
二つで一つのデザインになるように選ぶ方も多くいらっしゃいます。
手元が華やかになるので、ファッションアイテムとしても重要な役割を果たします。
結婚式に出席する際など、限定的にそうした使い方をする方ももちろんいるようです。
結婚指輪や婚約指輪を購入する際は、重ねづけした際のコンビネーションを念頭において、指輪の材質、はめる宝石やデザインを選んでいくとよいかもしれません。
結婚式での指輪交換について、手順や決まりごと
結婚指輪を交換するときは左手で受け取り、右手ではめる
結婚指輪の交換は、プロテスタント系の場合もカトリックの場合も結婚の誓約のあとに行います。
プロテスタントの場合、まず新郎が、前もって預けておいた指輪を牧師から受け取ります。
その際、受け取るのは左手で、受け取ったら右手に持ち直します。
それから新婦の左手をとり、左手薬指に指輪をはめます。
今度は新婦が牧師から指輪を受け取り、それを新郎の左手をとって薬指にはめます。
カトリックの場合も同様に、新郎から新婦の順、左手で受け取り右手ではめますが、神父が指輪を渡す前に聖水で祝別してから渡すなど、より儀式的要素が強いようです。
花嫁は手袋を着用してブーケを持って入場しますが、それらは指輪交換の前にあらかじめ介添え人に預けておきます。
なお、キリスト教式の結婚式でなくても、神道に則った神前式、人前式でも指輪の交換を式次第に組み込むことは珍しくありません。
指輪交換をするときの注意事項など
結婚式の際、婚約指輪を日ごろ左手の薬指につけている場合でも、あらかじめ右手の薬指にはめかえておくのが通例です。
そして式が済んだあとに、結婚指輪の指にはめなおします。
ちなみに、指輪を左手の薬指にはめる理由は、古代のユダヤ人のあいだで薬指は神聖な指見なされていたから。
古代ギリシア時代になると、薬指に流れている血液は直接心臓につながっていると信じられていたことが理由とされています。
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