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数珠(念珠)の歴史やマナーについて

数珠(念珠)の歴史やマナーについて

数珠(念珠)は、葬式行事の必須アイテムといっても過言ではありません。
また、葬儀以外であまり使わないということも、そうしたイメージに影響していることでしょう。

今回は、そんな数珠(念珠)について詳しくご紹介しますので、歴史や正しい使い方を知って大事に扱いましょう。

数珠(念珠)の由来

数珠(念珠)はどこで使われ始めたの?

数珠(念珠)はどこで使われ始めたの?

数珠はもともと、日本のものではありません。海外から入ってきた文化に由来して広まったものになります。

起源は諸説あるようですが、有力なものとしては古代インドにてヒンドゥー教の古い呼び名である、バラモン教で使用されていた道具が元祖であるといわれています。

3500年前に作られたバラモン教の聖典に登場する神様が「連珠」を持っていたという記述があり、これが現代における数珠の原型で、仏教にも波及していったといわれています。

後のヒンドゥー教においても祈りの回数を数える上で使われており、その習慣をもとに、釈迦が仏教に取り入れたと考えられています。日本の葬儀の席で馴染み深い数珠には、このような深い歴史的背景が存在していたのです。

日本伝来の流れ

ご存じの方も多いと思いますが、仏教は誕生したのちすぐ日本に伝えられたわけではありません。

今から約2500年前、インドで誕生した釈迦が教えを皆に説き始めたのが仏教のはじまりです。
日本には538年~558年頃に、中国大陸の一角にある朝鮮半島、百済よりもたらされました。
いわゆる、仏教伝来です。

そしてこのときに仏の教えと同時に持ち込まれたのが、数珠をもちいるというものです。
当時の偉人にも愛用者が少なくなく、数々の歴史書物や遺跡、そして宝物庫である正倉院などにその名残が残されています。

いまや数珠はスーパーやコンビニ、100円均一などでも見かけられる手に入れやすいアイテムですが、当時はまさしく宝物レベルの扱いを受けていたのです。
現代では身近に手に入れられる数珠ですが、当時はまだ位の高い人しか持つことができませんでした。

一般層に広がり始めたのは、仏教の民衆化が始まった平安時代末期から鎌倉時代あたりだといわれています。
宗教の広がりと共に、信仰に欠かせない数珠もまた多くの人に使用され始めていきました。

また形状もこのときにはほとんど現代のものとあまり変わらないほどの完成度でした。

数珠(念珠)とは

数珠に込められた意味とは

数珠に込められた意味とは

古くから宗教においてもちいられていた数珠だけに、もちろん深い意味が込められています。

マナーとしては、正しい扱いをすることで意識できますが、本当の役割を理解しておけば、より意義のある使い方ができるでしょう。
また、故人や神様に対しても、礼儀正しく接することができますね。

まずは、数珠に込められている詳しい意味について知っていきましょう。

実は数珠の珠の一つずつが、百八の煩悩を司る仏様であると考えられています。
つまり数珠を持つことで、邪心である煩悩を仏様に引き受けてもらえるという効果が期待できるのです。
そうした理由から、葬儀以外にも形状を簡素化した厄除け・お守り用のアクセサリーなどとしても広く人気を博しています。

このような理由から数珠の本来のつくりは、百八の珠で組まれたものとになりますが、そこまで本格的なものとなると、高価であったり、また持ち運びや使用も大変だったりするでしょう。
そのため現代では、多くが本来の意味より寸法を意識した、珠の少ない仕様のものが多く、「略式数珠」と呼ばれています。

数珠を使うときのマナー

基本的には、手を合わせるときに使用します。逆にいうと、素手で手を合わせる行為は、仏様に対して失礼にあたってしまうのです。

煩悩を変わりうけてくれる仏様に手を通すことで、神聖な状態において向き合うことができます。
また輪の中に手を通すことで、浄土の世界と繋がれるともいわれています。

気をつけるべき注意点としては、たとえば貸し借りはしないということです。
ひとつ手に入れたら、自分だけのお守り・仏具として大事に使い続けてください。
これにより、神仏の冥加こと、身を守るための助けが得られるといわれています。

また、男性用と女性用があるという点も特徴的です。
主には、男性用は女性用に比べて珠の大きさが大きいもの、女性用は逆で、男性用より小さいものを使ったものが適切であるといわれています。

また数珠には、珠のほかに房がつきますが、女性の場合は珠色に合わせて明るくきれいな色のものを使うのが正しいといわれています。
性別に合わないものを持参してしまうと、恥をかいたり失礼にあたる可能性もあるため注意しましょう。

そのほか、処分に関しても安易におこなうべきではありません。
自分を守ってくれていた神聖なお守りであるため、ぞんざいに扱うのは好ましくありません。

基本的には、数珠の専門店などが処分サービスなどをおこなってくれているので、不要なものがあれば申し込むとよいでしょう。
毎年11月に京都でおこなわれる「数珠供養会」にて、正式に処分してもらえます。

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