葬式に参列したときに、司会者が「導師入場」と紹介していることがありませんでしたか?
その時は何気なく聞いていたかもしれませんが、改めて導師とはどのような人かといわれるとよくわからないという人も多いでしょう。
ここでは、導師とはどのような人で、具体的にどんな役割を担っているかをみていきましょう。
導師とは
仏教の教えを説く人のこと
葬式の時に聞く名称なので、そのための役職と思っている人もいるかもしれません。
しかし本来導師とは、仏教の世界では広く使われる役職名で、仏教の教えを説く説教者のことを指します。
かつては高僧や仏、菩薩などの呼び名として広く使われてきました。
それが現在では少し解釈も変わって、葬式や法要の際に呼ばれて、中心になって式を取り仕切る僧侶を指します。
導師は主に、死者の霊を弔う役割を担います。
ちなみに死者に引導を渡すという役割を担っているので、「引導師」「引導僧」と呼ばれることもあるようです。
葬式の中でも重要な役割を担うため、住職などある程度位の高い僧侶が担当します。
複数の人が役割分担して行うことも
葬式の規模が大きい、さらに地域の慣習によっては、複数の導師を配置する場合もあります。
多くの場合、役割分担をして読経を行います。
もし複数の導師によって葬式が執り行われる場合には、さらにいくつかの呼び名が使われます。
中心となって葬式を進行する役割を持っている人を大導師、サポートする役割を担う人を脇導師や時導師と呼びます。
後者も読経の一部を担当することもあります。
前者を寺院の住職が、後者を同じ寺院で次の位を務める僧侶が担うケースも見受けられます。
寺院に十分な人材がいなければ、同じ宗派の別の寺院から応援をお願いすることもあるようです。
また、役僧(やくそう)という人をつける場合もあります。
役僧は葬式がスムーズに進行するためのお手伝い役の僧侶のことです。
ちなみに、このようなサポート役の方は住職の資格を持っている必要はありません。
前もって十分に話し合いをすること
もし菩提寺を持っているのであれば、その住職が葬式を取り仕切る形になります。
宗派や地域によって、葬式に出す導師の数が異なります。
地域や規模によっては複数の僧侶が葬式に立ち会うこともあります。
どのくらいの僧侶が参加することになるのか、それによって費用も変わってくるので気になるところです。
そこで前もって、菩提寺としっかり話し合っておくことが重要です。
また普段お世話になっている菩提寺のない場合には葬儀会社とどのようにして葬式を執り行うかについて、話をしておくように心がけましょう。
導師を呼ぶ時に注意したいこと
事前確認するのがおすすめ
葬式を挙げるにあたって、導師が複数名来た場合、費用もかさむのではないかと不安に感じる人もいるでしょう。
こちらの意向を聞かずに複数名の僧侶が来ることはあまりありません。
というのも、菩提寺もしくは葬儀会社を通じて依頼するときに、何名僧侶を派遣すればいいのか尋ねられます。
この際、お布施の額はどのくらいになるか確認しておくといいでしょう。
複数名で葬儀を取り仕切る場合に額を言われたら、それが全員分と考えて問題ありません。
ただし、お車代やお膳代は人数分用意しなければなりません。
どのように渡せばいい?
複数の僧侶がやってきた場合、どのように渡せばいいのかというのも問題になります。
それぞれの僧侶に個別に渡すべきか、導師にまとめて渡すべきか迷うという声もしばしば聞かれます。
これもお寺によって変わってきますので、事前に確認しておきましょう。
もし個別に渡すのであれば、導師とそのほかの人とでは金額に差をつけるのがマナーです。
まとめて渡すように言われた場合でも、お車代とお膳代については僧侶の人数分、封筒に分けて渡しましょう。
渡すときには、表書きにも注意を払いましょう。
白い無地の封筒に墨字を使って「御布施」と書きます。
筆ペンを使用しても問題ありません。
裏面には封筒の中に入っている金額を記載します。
また仏式で葬式を挙げる場合、戒名を決めでもらう必要があります。
戒名にも料金が発生しますが、葬式に参加した僧侶の人数によって戒名の金額が変わることはありません。
どのように呼べばいい?
葬式の際にお坊さんが来たときに、どのように呼べばいいのかで迷う人もいるかもしれません。
基本的には「御導師様」と呼べば問題はないでしょう。
僧侶が複数参加して、脇導師の人もくる場合もあります。
その場合でも同じ呼び名で呼んでもらって構いません。
パッとこの言葉が思い浮かばない場合には「先生」や「御住職」といった呼び名で呼んでもマナー違反にはなりません。
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