子どもが生まれたら、しばらく経ったあとで命名書を使ったお祝いをします。
子ども本人にはもちろん、家族にとっても喜ばしいことなので、ぜひ正しいやり方でおこないましょう。
ですが、初めての子どもともなると、何かと分からない点も多いことでしょう。
命名書作成にあたってのさまざまなポイントを詳しくご紹介します。
命名書とは
命名書は何に使うの?
命名書とは、その名の通り子どもにつけた名前を書き示す紙のことです。
とはいえ、ただの紙というわけでもありません。
「お七夜(しちや)」という行事で使う、伝統的な道具のひとつです。
ただ、命名書という特別な紙があるというわけでもなく、一般的な奉書紙や半紙を使っても問題ありません。
近年はベビー専門店などで独特の装飾が施されたものが人気となっているため、専用の商品を購入して命名に使うといったケースも多いようです。
書き方としては、主に2通りあります。
手書きか、ウェブサービスによるものかです。
基本は前者ですが、字に自信がないようであれば専用サイトなどでダウンロードしても問題ありません。
また、無料で利用できるようなものもあり、そこまでハードルは高くありません。
なかには人気のものとして、プロの書家に依頼するという方法もあります。
我が子が一生使い続ける名前のお披露目であるため、とことんこだわりたいと考える家庭も増えてきているようです。
手ごろな場合は1,000円ほどで、高名な書家の作品の場合は10,000円以上になることもあります。
子どもの将来の幸福を祈り、奮発してもよいかもしれませんね。
お七夜(しちや)とは
命名書を語る上で、お七夜(しちや)は外せない存在です。
これは日本で古くから続けられている伝統的な風習となっており、新しく誕生した子どもの名前を披露するための儀式になります。
また披露は家族内だけにとどまらず、その土地の産神様や地域の方々にも報告するという意味合いが込められています。
おこなう日は、名称の通り生後7日目です。
理由は、現代よりも乳児の生存率が低かった時代は、7日を生きるだけでもとてもおめでたいことでありました。
そのため、7日間健康に生き抜いてくれたことへのお祝いとして、お七夜が誕生したというわけです。
行事では、最初に一族の長が命名式をおこない、その後家に招いた家族や親戚と盛大にお祝いします。
特徴的なのが豪勢な料理で、祝い膳を囲みながら、幸せなひと時を過ごします。
内容としては、赤飯や紅白の麩・かまぼこ、はまぐりのお吸い物、御頭つきの鯛などが定番です。
とにかくめでたい席なので、縁起のよい食事が並びます。
その後、生後7日目を記念して写真を撮るケースもあります。家族や親族全員で写真を撮り、子どもの手形や足型をとるなどして思い出に残すといった内容です。
命名書の書き方と書くタイミングについて
命名書を書く方法とは
名前を書く命名書だけに、きちんとしたしきたりに従って正しい書き方を意識することが大切です。
ウェブサービスやプロに依頼する場合は安心ですが、自作するときは間違いのないように注意しましょう。
方法は主に2通りあり、正式な書き方と、略式のそれぞれとなっています。
後者の方が手軽ですが、こだわるなら正式なやり方がおすすめです。
●正式な方法
文字のバランスを整えるために、まず奉書紙や半紙を2つ折りにします。
そしてその折り目を利用して、さらに3等分できるよう左右からも折りたたみます。
これで、まず紙の準備は完了です。
次に、3等分の右側の中心あたりに「命名」と書きましょう。
3等分真ん中は、右上に小さく父親の氏名と生まれた子どもの続柄を、中心には大きく命名した名前を、そして左には小さく生年月日を記入します。
最後に3等分の左側ですが、中央に両親の名字と名前、またほかに名づけ親がいる場合は、さらにその左に命名者を書き、左下あたりにお七夜をおこなう日付を書きます。
略式の方法
略式では正式な方法より良く見られる形かと思います。
内容は、まず右上に父親の名字と名前、または夫婦連名と赤ちゃんの続柄を書きましょう。
そして中央上段に「命名」と書いて、中央真ん中に生まれた子どもの名前を大きく書きます。
最後に、左下に子どもの生年月日を書いて完成です。
近年の流行としてはこちらの略式の方が好まれているようで、多くみかけられます。
お七夜をおこなうタイミングに注意しよう
お七夜の命名書に関しては、タイミングの注意が欠かせません。
たとえば、いつを生後7日目に定めるかです。
基本的には、子どもの生まれた当日を1日目と数えるため、たとえば10日生まれであればお七夜は16日となります。
このタイミングに合わせて、行事や命名書の準備をしておきましょう。
また、命名書を書いたあとはしばらくお部屋に飾っておくのが一般的です。
主には、神棚や床の間がある家であれば、三方に命名書をのせて飾る形、そのほかであれば、目立ちやすい壁や、生まれた子どもの枕元に飾ります。
ですがこの場合、いつまで飾り続けるのかがポイントとなってくるでしょう。
目安としては、子どもの母親が床上げ時期を迎える産後3週間から1か月、またお宮参りや出生届を出したタイミングでしまうといった形になります。
いつまでも飾り続けていると、取り外しのタイミングが分からなくなってしまうでしょう。適切な時期に外しましょう。
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