へその緒を保管することは、多くの日本人にとって特別な意味を持つ行為です。
へその緒は、妊娠中に母親から胎児に栄養を届ける役割を持ち、親子の絆の象徴とも言える存在です。
そのため、へその緒を保管することは、子どもと親の愛情や絆を永遠に伝える手段となるのです。
この記事では、へその緒を保管する意味、へその緒に関する言い伝え、へその緒の保管方法、海外でのへその緒の扱いなど幅広く解説していきます。
へその緒に関する言い伝え・風習
へその緒には様々な言い伝えがあります。
その一つは、へその緒を持っていると死後、迷うことなく母親に会えるというものです。
つまり、へその緒は生命の繋がりや愛情の象徴であり、死後の世界でも母親との絆を保つための道しるべとなると信じられているのです。
また、一部の地域では、へその緒を棺に入れる習慣が存在します。
母親が亡くなった際には、その子どものへその緒を棺に納める地域もあります。
これらの言い伝えや風習は、へその緒が生命の源であり、親子の絆の象徴であるという信仰から生まれていると言えるでしょう。
へその緒はただの物ではなく、人と人との絆を象徴する大切な存在なのです。
このような伝承や風習を通じて、へその緒は日本人にとって特別な意味を持ち続けています。
そのほかにも、日本人が昔からへその緒を大切に保管するのには理由があります。
昔、へその緒は子どもが大病にかかった際に、煎じて飲ませることで一命を取り留めると信じられていました。
この信仰から、へその緒をお守りとして大切に保管する習慣が生まれたのです。
子どもが大人になると、男性なら戦争や漁、航海に出かける時、女性ならお嫁に行く時に、へその緒はお守りとして本人に手渡されました。
へその緒はただの物ではなく、子どもの未来を願う親の想いが詰まっているのです。
へその緒の保管法
へその緒は出産時に切った後、おおよそ1~3週間ほどで乾燥してポロッと取れます。取れた後は大切に保管してください。
ここでは、へその緒を保管する際のポイントをご紹介いたします。
まず、へその緒をしっかりと乾燥させることが大切です。
乾燥が不十分なまま保管すると、虫やカビが発生するかもしれません。
へその緒を保管する際には通気性の良い桐の箱に入れることをおすすめします。
現代では名入れができるものやおしゃれなデザインのものも多く販売されていますので、好みのものを探してみてください。
海外でのへその緒の扱い
一般的には、海外ではへその緒を保管する習慣はあまり見られません。
多くの地域では、へその緒は出産後に処理されることが一般的です。
しかし、東南アジアの一部の地域ではへその緒を保管する習慣をもつところもあるようです。
もし海外で出産する場合、へその緒については注意が必要です。
海外ではへその緒を保管する習慣が一般的でないため、病院や出産施設でへその緒を捨ててしまうことがあります。
ですので、へその緒を大切に保管したい場合には、出産前にあらかじめ病院や施設に保管の依頼をしておきましょう。
まとめ
日本人にとってへその緒はただの物ではなく、家族の絆を感じさせる貴重な宝物なのです。
そのため、へその緒を大切に保管する家庭は多くあります。
とはいえ、へその緒を保管したくないと感じる人もおり、そのような人はへその緒を処分します。
可燃ゴミとして処分することも可能ですが、それでは忍びないと感じる人のために、へその緒をお焚き上げする神社やお寺もあります。また、庭に埋めて土に還す人もいるようです。
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