オンライン葬儀とは、インターネットを使い葬儀の様子を動画で閲覧したり、オンライン上で香典や供花を供えたり、返礼品の受け渡しなどができる新しい葬儀形態のことです。
新型コロナウイルスの感染拡大を憂慮し、「三密を避ける」という目的から、急速に注目されています。
しかし、一般的に広く普及しているとまでは言えず、まだ参加した経験がある方も少ないようです。
そこで今回は、オンライン葬儀に参加することになった場合、どうしたらいいのか?をQ&Aでお伝えしていきます。
オンライン葬儀とは?参列までの流れ
葬儀の方法や流れ自体は、オンライン葬儀であっても一般的な葬儀と大きく異なることはありません。
実際の葬儀会場に亡くなった方の家族や親族、僧侶が集まり、葬儀が行われています。
その間、式場にはカメラが設置されているため、式場からオンラインで中継をします。参列者は遠隔で葬儀に参加・閲覧することが可能です。
ここからは、よくあるオンライン葬儀に関する疑問を挙げていきましょう。
Q.訃報の連絡を受けたら、どうするの?
A.一般的な訃報連絡の対応と、やるべきことは変わりません。
まず、訃報の連絡を受けたら、一般的な葬儀と同様、「お悔やみ申し上げます」「ご愁傷様です」などお悔やみの言葉や気持ちを伝えます。
その後、オンライン葬儀である場合は、
・葬儀はオンラインであること
・式場には出向く必要がないこと
・そのうえで可能であれば参列してほしい
という内容の連絡を受けることになります。
参列できるのであれば、その旨をご家族に連絡します。
Q.どうやって参列するの?
A.ウェブ会議システムや専用のアプリケーションソフトを使って参列します。
前提として、オンライン葬儀に参列するには、葬儀の様子を動画で閲覧するために、インターネットにアクセスする通信環境、パソコン・スマートフォン・タブレットなどの端末が必要です。
参列者はZoom等のWeb会議サービスを利用して閲覧します。
参列者には当日閲覧するためのURLやQRコードが記載された招待メールが送られてきます。
当日の開始時刻になったら、そのURLをクリックして参列(動画の閲覧)します。
動画を視聴できる人は招待された人に限定されますので、知らない人が勝手に参列したりすることはありません。
Web会議サービスはZoom以外にもありますが、使用するサービスによってはアプリのダウンロードが必要な場合もあります。
各葬儀社やご遺族の指示に従ってください。
Q.病院や介護施設からも参加できる?
A.参加できます。
元々オンライン葬儀は、遠方で移動が難しい方、身体が思うように動かせない方、病院や施設にいる方の参列をサポートするために始まったものです。
したがって、インターネットにアクセスできる通信環境があれば、病院や介護施設からも参列が可能です。
ただし、閲覧する場所や時間帯によっては、病院や施設の都合を確認しておいた方が良い場合もあります。
事前にオンライン葬儀に参列することを伝えておくと良いでしょう。
Q.オンライン葬儀にもマナーってあるの?
A.はっきりと定まってはいませんが、一般的な葬儀と同等と考えましょう。
オンライン葬儀のマナーは、普及したばかりという事もあり、現在のところはっきり定まってはいません。
しかし、オンライン葬儀であっても、
お別れを済ませる、故人の死を受け入れお見送りをする
という葬儀の本質は変わりません。
マナーとは、その場面でしかるべきとされる行動や作法の事を指します。
したがって葬儀の本質を見失うことがなければ、オンライン葬儀のマナーも見えてくるのではないでしょうか。
Q.オンライン葬儀に参列する時の服装は?
A.一般的な喪服の着用が望ましいですが、必須ではありません。
オンライン葬儀における参列者の服装はさまざまです。
一般的な葬儀に比べ、参列者の服装が見られることは少ないものの、葬儀の本質からすれば喪服を着用して参列するのが望ましいでしょう。
男性はブラックスーツ、女性はワンピースやアンサンブルなどが一般的です。
ですが、双方向のやり取りが発生せず、式場の動画が配信されるだけの場合も多いのが実情。
参列者側の姿が映し出されることがないのであれば、絶対に喪服でなければならないということはありません。
ただしその場合であっても、故人のお見送りという場にそぐわない服装は、当然控えた方が良いでしょう。
Q.オンライン葬儀の香典や供花はどうしたらいいの?
A.オンライン葬儀での香典や供花は、オンライン決済やキャッシュレス決済ができる場合がほとんどです。
オンライン葬儀であっても、通常の葬儀同様に香典を納めます。
直接会場に出向くことができないので、オンラインでの決済を行う場合が多いようです。
クレジットカード、各種キャッシュレスサービスを使用した決済方法を各葬儀社が用意しています。
供花も同様に、オンラインで決済をし会場に届けることができます。
焼香・供花共に、やり方や対応している決済方法については、葬儀社に問い合わせましょう。
Q.オンライン葬儀のお焼香はどうしたらいいの?
A. ご遺族の焼香が始まったら、画面に向かい手を合わせましょう。
オンライン葬儀では、参列者による焼香ができません。
式場のカメラ越しから、焼香台の様子が中継されることもありますので、その場合は画面に向かって手を合わせ、故人や仏様を拝みます。
Q.他に気をつけないといけないことはある?
A.オンラインならではの「うっかり」に気を付けて
葬儀の様子が一方的に配信される場合と、参加者の姿が映し出される場合とがあります。
後者の場合は、葬儀の場にふさわしくないものが映り込まないような配慮が必要です。
部屋を整理整頓する、テレビを消す、洗濯物を移動する、オンライン会議用の背景を用意しておく等の準備をしておくと良いでしょう。
葬儀会場では、一般的な葬儀と同様に式が進行しています。
お坊さんから「合掌」「おなおりください」などの指示があるかもしれませんので、その際は、画面にむかって手を合わせるなど、臨機応変に対応しましょう。
葬儀の後に、ご遺族からお話があることもあります。
その場合はカメラ機能やマイク機能を使って故人の思い出話や御礼などを伝えることができます。
しかし、オンライン会議の経験が乏しいと、なかなか会話が弾まなかったり、遠慮してしまうかもしれません。
ご遺族とお話しする機会があることを想定し、自分の名前、故人との関係、故人のエピソードや人柄、一緒に何かをしたこと等を準備しておくと良いでしょう。
まとめ
オンライン葬儀の基本的知識や参列者の疑問について解説してきました。
オンライン葬儀は注目されるようになってから日が浅いため、マナーやシステム等が定まっていないのが実情です。
しかし、葬儀とは亡くなった大切な方を弔い、送る重要な儀式であり、オンラインはあくまでもその手段です。
最後のお別れの時間を有意義に過ごせるよう、参考になさってください。
【日本の文化に興味があるあなたへ…】
日本語を深く学び、プロの日本語教師として活躍してみませんか?
日本語を学ぶなら業界屈指の就職率を誇るKEC日本語学院がおすすめです。
KEC日本語学院は東京・大阪・京都・兵庫にあります。無料の個別相談もありますので、
まずは相談してみてはいかがでしょうか。