家族が亡くなった場合、ご遺体を棺の中に納め、あの世へ行くための身支度を済ませなければなりません。
この作業を「納棺」といいます。
ここでは、その納棺の手順や、棺の中に入れるものについて詳しく紹介していきます。
納棺のやり方について
納棺とはなにか?
「納棺」とは読んで字のごとく、ご遺体を棺の中に納めることです。
ただし、ただ棺の中に入れればいいという単純な話ではありません。
ご遺体を整えて、衣装を着せ、棺の中に納めます。
亡くなった方がこれからあの世に旅立つための準備です。
心を込めて作業をしましょう。
近年では、納棺の作業の大半を葬儀会社のスタッフが行ってくれますが、遺族も多少そのお手伝いをする必要があります。
大事な家族が亡くなった直後なので、気持ちの整理がまだついていないかもしれません。
しかし、この作業を行うことで、故人の死を受け止められるようになると言われています。
できる限り参加するのが望ましいでしょう。
身支度をするところから
納棺は、遺族・親戚がそろったところで行われる場合が多いようです。
このため、通夜前に納棺の作業は行われます。
正式には遺族の手で行うべきものかもしれませんが、葬儀会社のスタッフや納棺専門の業者にやってもらうのが今では主流です。
まずご遺体の身支度を行います。
仏式の場合には経帷子(きょうかたびら)を、神道の場合には白の小袖を着用させます。
葬儀会社のスタッフが率先して行いますが、遺族もできる範囲で手伝いをするのがマナーです。
手甲(てっこう)や脚絆(きゃはん)のような着物以外の服飾品、頭陀袋(ずだぶくろ)に六文銭を入れて首にかけるなど、死装束にも細かいアイテムがあります。
ご遺体の身支度と聞くと、頭に三角巾をつけるのをイメージする人も多いかもしれません。
少し前までは定番の死装束のアイテムだったのですが、顔の印象が変わってしまうなどの理由であまりつけることはなくなりつつあるようです。
身支度ができれば棺の中へ
身支度ができたら、ご遺体を棺の中に納めます。
この時遺族や親戚も、ご遺体を支えて納める作業を手伝います。
棺の中には仰向けの状態で寝かせるのが一般的です。
死装束には身につけるもののほかにも、仏式なら杖や編み笠、草鞋(わらぢ)などがありますのでこちらも棺の中に納めましょう。
この時に故人の愛用していたものや思い出深いものも、一緒にあの世へもっていかせるために棺の中に入れてください。
ただしあまりいろいろなものを入れると、遺骨を傷つけかねません。
棺の中に入れるのは必要最低限のものにしましょう。
納棺の際の副葬品について
副葬品で一般的なものとは?
納棺をする際は、棺の中に故人の愛用品などを一緒に入れるケースが多いようです。
このようなものを「副葬品」といいます。
しかしながら、故人が大事にしていたものなら何でも良いという訳ではありません。
通常、副葬品として棺に納めるのは、写真や手紙、愛用品、とりわけ愛読書などが多いようです。
本のように紙製のものであれば、火葬したときにスムーズに燃えてくれるので特別支障をきたす恐れもありません。
また故人がタバコをよく吸う人であれば、たばこを入れるのもいいでしょう。
写真は思い出のものを入れますが、生きている人も一緒に写っているものは避けたほうがよいでしょう。
故人以外が写っている写真を副葬品として中に入れてしまうと、生きている人も連れていかれてしまうという考え方があるからです。
副葬品で入れるべきでないアイテムは?
副葬品の中に入れないほうがいいアイテムもいくつかあります。
簡単に言ってしまうと、燃えないもの、燃えにくいものです。
火葬することで火葬場の炉にダメージを与えかねないもの、燃やすことで有毒なガスが出るなど環境面で好ましくないものも入れるべきではありません。
例えばガラスやプラスチック、金属関係、陶器などが挙げられます。
さらには缶類のような密閉容器は、燃やしたときに中が膨張して爆発する危険性がありますので入れないようにしましょう。
アクセサリー、そのほかには眼鏡や入れ歯なども材質的に入れないようにし、火葬した後の骨壺の中に入れるようにしましょう。
また、故人の好きな食べ物を入れたいという人はいませんか?
食べ物は多くの場合、水分を多く含みます。
すると不完全燃焼を起こしやすくなり、火葬時間が当初よりも伸びてしまう恐れがあるので避けたほうが良いでしょう。
医療用品に注意が必要
故人の中には生前の治療でボルトが入っている、心疾患でペースメーカーを入れている方もいるでしょう。
この場合には火葬場に申告する必要があります。
前もって取り外すように言われる可能性もありますので、注意が必要です。
もしこのような医療措置を生前行っていて、異物が体内に入っているのであれば、葬儀会社のスタッフにその旨を伝えておくといいでしょう。
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