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岩田帯のマナーとは?

岩田帯のマナーとは?

岩田帯とは妊婦がお腹に巻く帯、いわゆる腹帯のことです。
妊娠5ヵ月のタイミングで行われる帯祝い、着帯式という儀式で用いられるものです。

このページでは岩田帯の由来や効果、帯祝いの内容などを紹介しています。
よろしければ参考になさってください。

岩田帯に関する豆知識

岩田帯のはじまりや名前の由来

江戸時代の有職故実(※)の書物「貞丈雑記(ていじょうざっき)」によると、
もともとは結肌帯(ゆわたおび)と呼ばれるもので、その読みが変化して岩田帯と呼ばれるようになったとあります。
(※)有職故実…官職位階や服飾、年中行事、典礼などを研究する学問のこと

また、斎肌帯(いはだおび)という名前もあります。
『斎』は不浄を避けることを意味し、穢れや災いからお腹の中の赤ちゃんを守るという意味があります。

この岩田帯の発祥は一説によると、古代の記紀神話の時代(古事記と日本書紀に神話が記された時代)までさかのぼります。

仲哀(ちゅうあい)天皇の皇后である神功(じんぐう)皇后が三韓征伐を行ったとき、そのお腹にはのちの応神天皇を宿していました。
しかし、神功皇后は腹帯に石を入れて渡海し、帰国後に無事出産したという伝承が伝えられています。

そして、平安時代には貴族階級の間で安産を願って腹帯を巻く風習が根付き、江戸時代を通して一般庶民の間にも広がっていったといいます。

岩田帯を巻くとどのような効果があるのか

岩田帯を巻くとどのような効果があるのか
儀式的に布を巻いているわけではありません。
赤ちゃんとお母さんを守る「効果」があります。

帯を巻くことで得られるのは「お腹を支える」効果です。

妊娠5ヶ月を過ぎたころから、徐々にお腹が突き出すように大きくなっていきます。
帯でおなかを支えることで、突き出たお腹の重みを支え、妊婦さんの負担を軽減する役割を持ちます。

また、そうしたことから妊娠中は姿勢が悪くなり、腰痛を抱えがちです。
お腹が支えられることで、腰痛を防ぐことができるといわれています。
もちろん、お腹を冷やさないという意味でも重要です。

岩田帯の巻き方や種類

巻き方には複数パターンあるようです。
巻き方のイラストが載っているサイトや動画サイトなどを参考にすると良いでしょう。

また、きつく巻いて血液の流れを妨げると胎児に悪影響を与えて逆効果です。
そうならないように適度にゆるく巻きます。
ただし、ゆるすぎても岩田帯を巻いた効果はあまり望めません。

かつて岩田帯といえば白の木綿製が一般的でした。
しかし、さらしタイプは日常使いには何かと不便です。

今では、素材も毛やナイロン、形状もベルトタイプやガードル、コルセット形式、腹巻タイプなどさまざま。
名称も妊婦帯、腰ベルト、マタニティベルトなど様々な名称で呼ばれており、大きくなってくるお腹を支えるためのアイテムとして販売されています。
普段使いするのであれば、使いやすさを重視して選ぶとよいでしょう。

岩田帯を巻く帯祝いとはどのようなお祝いをするのか

妊娠5ヶ月の戌の日に行う安産を祈願する帯祝い

帯祝いとは、妊娠5ヶ月~6ヶ月の戌の日に行う安産祈願の行事。
多くの場合は水天宮や鬼子母神など、安産のご利益がある神社へ赴き御祈祷をしていただきます。
御祈祷していただいたあと、岩田帯を身に着けるのが一般的です。

帯祝いと戌の日の関係

帯祝いと戌の日の関係
帯祝いを戌の日に行うのは、犬はお産が軽く、かつ多産であることから、昔から安産の象徴とされてきたことに由来します。
干支は年だけでなく月、日にも割り当てられており、「戌の日」は11番目。
12日ごとに戌の日となるので、1ヶ月に2~3回の頻度で戌の日が来る計算です。

帯祝いで行われた着帯式

かつて、医療が発達しておらず、お産が今よりもずっと危険なものだった時代、帯祝いでは双方の親や仲人、親類などが集まって岩田帯をまく着帯式を行ったそうです。

着帯式では、帯役とも帯親とも呼ばれる人が妊婦に形式的に腹帯をまきました。
なお、通常、帯役は子宝に恵まれた親戚の夫妻が務めます。

儀式そのものはいたってシンプルなものだったようです。
上座に座った妊婦に対し、下座にいる帯役の夫妻が安産を祈る挨拶をし、白木の台に載せた帯を差し出します。
その後、帯役の夫は退室し、妻が形だけ妊婦に帯をまきます。
儀式はそこまでで、あとは皆で祝宴となります。

しかし、今では帯祝いは必ずしも行うものではありません。
安産祈願のお参りのみで済ませる方、着帯式をしても戌の日にも特にこだわらず、親しい身内や夫婦のみで行う方がほとんど。

もし、帯祝いに招かれたときに気をつけるべきことは『妊婦の体調が第一』ということです。
だらだらと長居せずに、宴が終われば速やかにおいとまするのが良いでしょう。

帯祝いで贈る岩田帯は誰が贈る?

帯祝いで贈る岩田帯は妻の実家から贈るのが一般的でした。
水天宮などの安産のご利益があることで有名な神社の岩田帯を贈り物とすることも多かったようです。

現代では、御祈祷へ出向いた神社でいただけることがほとんど。
さらしの帯はお守りとして置いておき、日常使い用にマタニティ用品売り場で購入したベルトを巻く人も多いですよ。

安産祈願に贈り物をしてもOK?

安産祈願に贈り物をしてもOK?
着帯式を行わない場合でも、安産祈願として帯祝いの贈り物を贈るのも悪くないでしょう。

そのほかにも安産祈願のお守りやマタニティ・ウェアなどが贈り物として妥当です。
また、何かと物入りですから、現金や商品券も喜ばれるでしょう。

お祝い事に関する贈り物ですから、のし掛けをして贈りましょう。
その場合は

表書き:「御祝」など
水引:紅白の蝶結び
のし:付ける

とすることで、相手にも失礼のない贈り物となります。

のしについて、もう少し詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

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