披露宴のクライマックスに行われる「花嫁の手紙」。
結婚式には感動を呼ぶ演出が多くありますが、この「花嫁の手紙」が最も印象的だった、という方も多いのではないでしょうか。
手紙自体は身近な存在ですが、両親へ、これまでの感謝の気持ちをつづったものを贈る機会はそうありません。
せっかく両親へ贈る花嫁の手紙、ポイントを押さえて気持ちが十分に伝わるように準備しましょう。
花嫁の手紙とは
花嫁の手紙を読む理由
多くの場合、披露宴の最後に花嫁から両親へ、感謝の思いを込めて手紙を読む演出のこと。
今日まで育ててくれたことへの感謝の気持ち、結婚に向けた心境や決意を披露します。
昔は新郎の家に「嫁ぐ」という認識が強く、両親との「別れの手紙」という位置づけでもあったようです。
新郎が読んでももちろんOK
よくある流れとしては、披露宴の終わりに新婦から両親へ手紙を披露するというもの。
少し前までは、新郎は最後に会場全体に向けて挨拶をして終わり…というだけで、特に両親へ何かを行うことはあまりありませんでした。
前述の通り、昔は「家に嫁ぐ」という意識が強かったことから、新婦のみがそうした手紙を披露していたようです。
しかし、今は結婚観・男女観が昔とは変わっていることも多い時代。
両親に対する感謝の気持ちを伝えたいのは新郎も同じ、ということであれば、もちろん新郎が両親へ向けて手紙を披露しても問題ありません。
披露宴で「読む」演出が無くてもOK
そもそも
・大勢の前で個人的な手紙を読むのが恥ずかしい
・「お涙ちょうだい」系の演出はやりたくない
・泣いて読めないと思うからいやだ
・列席してくれている人の時間を使ってまで個人的なやり取りをするのは申し訳ない
など、様々な理由で披露宴であえて手紙を「読む」という演出を行わない方も一定数います。
近年は、「プレゼント進呈」という形で記念品と共に手紙やメッセージを添えて贈ったり、ムービー等にして当日は本人が直接読まない形にしたりと、「読む」以外の演出も多くみられます。
絶対に読まなければならないものではありませんし、各家庭の事情もさまざま。
両親との仲がいまいちだったり、事情があって読んだら雰囲気が暗くなってしまう、など、その人にしかわからない背景があります。
読むのが恥ずかしい、そういった「お涙ちょうだい」という演出が好きでない、という場合、両親への感謝の気持ちを事前に披露宴ではない場所で伝えていることもあるようです。
もちろん、披露宴ではない場でやり取りをしても十分伝わります。
無理に「披露宴のスタンダードだから」と、その場で読む必要はありません。
どんな披露宴にしたいのか、を念頭に演出や流れを考えましょう。
より良い花嫁の手紙を作るコツ 準備編
花嫁の手紙を書く準備
やっぱり両親への感謝の気持ちは伝えたいし、こうした機会がないと読まないから、と、花嫁の手紙を披露宴の演出に入れる方が大勢いるのも、また確かです。
花嫁の手紙が時に感動を呼ぶのは、具体的なエピソードに家族の絆や愛情が感じられるから。
具体的なエピソードがあったほうが聞き手側も退屈しません。
そのようなことを踏まえ、手紙を書く準備として
を整理しておきましょう。
伝えたい気持ちはもちろん感謝もあると思いますが、
そのほかにも、迷惑をかけてしまったことを謝りたい、尊敬していることを伝えたい、など、手紙を読むことで伝えたい気持ちをはっきりさせておきましょう。
印象に残っているエピソードから、どんなことを伝えたいのかを整理してみるのも良いですね。
家族の思い出の写真や、動画などがあれば見返してみると、思わぬ発見があるかもしれません。
花嫁の手紙はどんな便せんに書けばいい?
こうでなければならない、というルールはありません。
結婚式という場の雰囲気を考え、白基調や花柄でも派手すぎないものを選ぶ方が多いようです。
もちろん、新婦の個性を感じさせるようなものがあれば選んでもOK。
書いた手紙をそのまま両親にプレゼントする方が大半ですので、そういった用途も意識しながら選びましょう。
花嫁の手紙はいつ書く?
披露宴で読むにしても、別のタイミングで渡すとしても、1週間前までには書き上げられるようにしましょう。
特に披露宴で読む場合、結婚式本番直前は手紙以外にも準備するものが多数。
何かとドタバタで当日を迎えたという方も少なくありません。
前日になってやっと手紙を書き始めたのは良いものの、筆が進まず徹夜明けで本番に臨むことだけは避けたいところ。
伝えたいことがうまく伝えられないのはもちろん、本番に向けて一生懸命整えてきたお肌のコンディションや体調にも影響してしまいます。
余裕をもって自分の気持ちやエピソードを整理できるときに取り組みましょう。
より良い花嫁の手紙を作るコツ 文章編
花嫁の手紙の文章構成
花嫁の手紙は、多くの場合文章の大まかな構成が決まっています。
どう書き出していいかわからないという方は、この文章構成を基に、自分のエピソードや言葉を肉付けしていきましょう。
書き出し
まず、手紙の冒頭は
・集まってくれたことへのお礼
・会場全体への断り
・両親への呼びかけ
の3パーツで構成されることがほとんど。
『お忙しい中、私たちのためにお集まりいただきありがとうございます』
『この場をお借りして、両親へ感謝の気持ちを伝えさせてください』
『お父さん、お母さん、今まで●年間、大切に育ててくれてありがとうございました』
などを書きましょう。
手紙として後々両親に渡すのであれば、ゲストへの感謝や断りは紙に書かず、口頭で伝えても良いかもしれません。
コロナ禍で行われる披露宴であれば、そうした状況下にも関わらずご理解とご列席をいただき、という記述があっても良いでしょう。
エピソードと伝えたいこと
手紙の肝となる部分です。
準備段階で用意した「伝えたいこと」「具体的なエピソード」を書きます。
両親に宛てて書く場合、お父さんとお母さんで違うエピソードを用いても問題ありません。楽しかったこと、うれしかったこと、尊敬していることなど、切り口は様々です。
書くときは
「いつ」
「どこで」
「誰が」
「何をした」
「どう感じた」
という、5W1Hならぬ「4W1H」を意識するとより伝わりやすくなります。
両親だけではなく、祖父母や兄弟に語り掛けてももちろんOK。
決意
結婚することで、これから自分たちがどうしていきたいか、という決意を述べます。
前項の内容を踏まえていると、話の流れとしてもスムーズです。
幸せになります、こんな家庭を築いていきたいです、など、前向きな決意を述べましょう。
『お父さん、お母さんのように笑顔の絶えない家庭を築いていきたいです』
『(新郎)さんと幸せになります』
など、明るい未来を想起できるものが良いでしょう。
結び
締めの挨拶も大事。
『これからも温かく見守っていてください』
という思いはもちろん、これからもどうぞよろしくお願いします、という気持ちを義両親やゲストに向けて発信しても気遣いが感じられて好印象です。
花嫁の手紙の長さはどれくらいがベスト?
披露宴で読むならば、2~3分の長さにまとまるようにするのがベストと言われています。
便せんなら2~3枚ほど。
少し大きめの字で書くと、早口にならずに済みそうです。
短すぎてもあっけないし、長いとゲストが退屈してしまうので適度な長さに収めることが大切です。
もし、おさまりきらないようなら当日読むものとは別に「渡す用」の手紙を用意しても良いかもしれません。
花嫁の手紙を読むときのコツ
ゆっくり、はきはきと、背筋を伸ばして
ただでさえ緊張しているところに、ちょっと恥ずかしさもありながら手紙を読んでいると早口になったり、もごもごしてしまったり、猫背になってしまいがち。
ゆっくり過ぎると思うくらいが、聞いている側からすると案外ちょうどよい速度だったりするものです。
ゆっくり、はきはきと話すことを心がけましょう。
また、披露宴で読むのであればほぼ確実にその場面を写真や映像に収められています。
大事な場面なのに猫背でうつむいていると、せっかくのシーンも台無し。
背筋を伸ばし、時々両親やゲストのことを見ながら、語り掛けるように読みましょう。
これらは、いきなり本番当日にやろうとしてもなかなか難しいもの。
事前に鏡の前で練習しておくことをおすすめします。
より感動的な花嫁の手紙の演出
披露宴の花嫁の手紙には演出も大切。
特に、手紙を読んでいる間に流れるBGMが会場の雰囲気を作ります。
家族との思い出の曲、両親が好きな曲や、感謝の気持ちを伝える「定番曲」など、伝えたい内容に沿ったBGMを選びましょう。
また、新郎のサポートが思わぬ演出効果を生む場合も。
手紙を読み上げている新婦の横に寄り添ったり、流れる涙を新郎のハンカチで拭ってあげたりなど、さりげない気遣いが求められます。
寄り添い支え合う姿を見て、2人の未来を思い描き、より感動する場面になることもあるのです。
ぜひ、新郎にもサポートを求めましょう。
まとめ
・花嫁の手紙はもともと「別れの手紙」
・新郎が読んでも、演出として取り入れなくてもOK
・「誰に書くのか」「具体的なエピソード」が肝
・構成のポイントを押さえればOK
・長さは2~3分で
・披露宴で読むなら「読む練習」をしておこう
結婚式という機会だからこそ、両親へつづる感謝の手紙。
気持ちが伝わるよう、ポイントを押さえて自分の言葉でしたためてくださいね。
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