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1000年の歴史がある放生会とは?読み方や意味を解説

日本では数多くのお祭りが全国で開催されていますが、その中で屈指の歴史を誇るのが「放生会」です。1000年以上の歴史がある祭りなのですが、その内容について詳しく知らない人は少なくありません。

そこで今回は放生会とはどのようなお祭りなのか解説していきます。博多三大祭りとして有名な筥崎宮放生会の内容についてもご紹介しますので、近くにお住まいの方はチェックしてみてください。

放生会とはどのようなお祭り?

放生会とはどのようなお祭り?

放生会の読み方は「ほうじょうえ」です。「放生」の意味は、生き物を野に放して生かすということ。つまり、放生会は捕らえた魚や鳥などの生き物を野に放してやるお祭りなのです。生き物の命を助けることで、無意味な殺生をいさめる意味合いがあります。

放生会の由来は?

お釈迦様の前世と言われる流水(るすい)長者という人がいるのですが、この流水長者があるとき、大きな池の水が干上がっているのに気づきました。池の中を見ると、多くの魚が死にかけていたので、流水長者はこの魚たちを助けました。このできごとが放生会のルーツになったと言われています。

中国天台宗の開祖である智顗(ちぎ)は仏教史上初めて放生会を行いました。自分の持ち物を売って多くの魚を買い取り、池に放して救い、生きるものに対する感謝を教えたのです。このような中国の伝統はやがて日本にも伝わっていきました。

日本の放生会の歴史

放生会の歴史日本の歴史の中で放生会に関する記述が初めて登場するのは676年8月17日のことです。日本書紀の中に「天武天皇が諸国へ放生を行わせる詔(みことのり)を発した」と書かれています。

放生は仏教の「生き物を殺さない・傷つけない」という思想に基づくものです。仏教の思想をベースにした放生のお祭りを日本の神社が行っている理由は、神仏習合という神様と仏様を一緒に祀る習慣があるためです。

放生会はいつ行われる?

放生会は日本各地の寺院や八幡宮で行われています。開催の時期はさまざまですが、多くの所で春か秋に開催されているようです。これは収穫祭や感謝祭の意味も込めているためです。

具体的なお祭りの内容についても、寺院や八幡宮によって異なります。魚や鳥、巻貝などを放生するところもあれば、神輿と祭列が練り歩く「御神幸(ごしんこう)」を行うところもあります。周辺には多数の露店が出ることも多く、賑わいます。

博多三大祭りの一つ!筥崎宮放生会

全国各地でおこなわれる放生会の中でも有名なのは、博多の筥崎宮放生会(はこざきぐうほうじょうや)です。筥崎宮放生会は、博多どんたく、博多祇園山笠と並ぶ博多三大祭りとして数えられています。

放生会は「ほうじょうえ」と読むのが正しいのですが、筥崎宮では「ほうじょうえ」ではなく「ほうじょうや」と呼びます。単なる方言とも考えられますが、「放生夜(ほうじょうや)」とかけているとする説もあり、はっきりしたことはわかっていません。

筥崎宮放生会は福岡市東区にある筥崎宮で9月12~18日にかけて開催されます。

筥崎宮放生会の見どころはお神輿行列!

筥崎宮放生会の見どころのひとつは、お神輿行列です。2年に1度開催されるイベントで、御神幸とも呼ばれます。清道旗(せいどうき)と呼ばれるおしるしを先頭にして、神輿と氏子さんが博多の街を練り歩く姿は壮観です。

筥崎宮を出たお神輿を仮の宮・頓宮(とんぐう)まで運び、別の日に頓宮から筥崎宮に戻っていきます。行きは4時間くらいかけて九大病院、JR吉塚駅前、箱崎小学校の周辺をめぐります。帰りは少しコースが短くなって、1時間程度の行程です。

特に見ものなのが、ラスト数百メートルから始まる氏子さんのダッシュです。全力で走る氏子さんの姿は迫力があります。

約500軒の露店を見て回るのも楽しい

500軒の露店を見てまわるのも楽しい筥崎宮放生会では約500軒の露店が軒を連ね、大変な賑わいを見せます。バリエーション豊かな露店の中でも特に注目したいのは、このお祭りならではの「新生姜」のお店。

もともとこの地域ではしょうがの栽培が盛んだったということもあり、数多くのお店が出店しています。お祭りが行われる秋口はちょうどしょうがの収穫の時期でもあるので、新鮮な新生姜を購入することができます。新生姜は夏の厳しい暑さで夏バテした体に活を入れてくれます。

そのほか、亀を売る露店が多いのも、このお祭りの特徴と言えます。昔の放生会では亀を放流することも多かったため、その名残として亀を売る店が多いというわけです。また、昔懐かしい雰囲気のお化け屋敷や見世物小屋も見逃せません。これらのお店に注目しながら、お祭りを存分に楽しんでください。

まとめ

放生会は万物の命をいつくしみ、殺生を戒めるお祭りです。そのようなイベントが1000年以上続いているというのは感慨深いですね。お住まいの近くで放生会が行われていたら、ぜひ足を運んでみてください。

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