昨今、ブームとなりつつある御朱印(ごしゅいん)集め。
神社や寺院などでいただく印章・印影であることは周知の事実でしょう。
しかしながら、この御朱印とは何のためにあるのでしょうか? ここでは、御朱印の歴史からもらい方、参拝マナーなどを詳しく紹介していきます。
御朱印とは何か?
御朱印の歴史を知ろう
御朱印とは何か? と聞けば、多くの方が「神社などでもらえるスタンプのことで、御朱印巡りとは実にスタンプラリーの様なもの」と認識しているのではないでしょうか。
しかしそれは違います。
御朱印とは「神社や寺院において、参拝者に向けて押印される印章・印影のこと」であり、つまり「参拝した証」として貰い受けるものです。
現在では御朱印がある神社や寺院へ行けば、誰でも気軽に御朱印を貰い受けることができますが、かつて御朱印は寺社へ写経を納めた際にもらえる受付印であったとされています。
中でも、13世紀前半に行われていた「六十六部(ろくじゅうろくぶ)」と呼ばれる巡礼が起源とされているそうです。
その「六十六部」とは、法華経を66書き写し、それを一部ずつ66箇所の霊場に歩いて納めるという巡業のことです。
しかしながら時代を経て江戸末期になると、既に写経を納めるという行為自体がなくなり、参拝した証として御朱印を受けるという風習のみが残ったのです。
また、その証を「御朱印」と呼ぶようになったのは、実に昭和初期からになります。
御朱印のデザインはさまざま
一口に御朱印と言っても、墨で記したご本尊やご祭神の上に寺社の印を押し、寺社名と参拝日を両脇に記してくれる一般的なものもあれば、寺社にまつわる動植物をあしらった絵などが描画されているもの、季節や行事などで期間限定のデザインのものなどもあり、実に種々多様です。
昨今、全国各地の寺社に赴き、御朱印を貰い受ける巡業が流行になっている理由の一つには、そんな御朱印の豊かなデザイン性もあるのではないでしょうか。
ちなみに、御朱印は各寺院・神社一箇所で一種類のみという訳ではありません。
祀る神様やご本尊の数など一箇所で数種ないし10種類以上もの御朱印を用意しているところもあります。
御朱印をもらう方法を知ろう
御朱印帳の用意を忘れずに
昨今注目されつつある御朱印巡業ですが、御朱印目的で神社・寺院を巡る際、絶対に欠かしてはいけないのが「御朱印帳」です。
御朱印帳とはその名の通り、「御朱印を記すノート」のことであり、1ページに1種の御朱印を記すことができます。
ちなみに、御朱印帳がなければ御朱印を受けることはできないという訳ではありませんが、一般的に御朱印帳以外のものに御朱印をいただく行為は「失礼にあたる」と認識されており、中には御朱印長以外には御朱印を押しませんという断りの文句を掲げているところも少なくないのです。
もし御朱印帳を忘れてしまった場合には、半紙に書いて渡してくれる寺社などもありますので「半紙におねがいできませんか?」と聞いてみましょう。
ただやはり御朱印巡りに出かける際は、必ず御朱印帳を用意し、そこに御朱印をいただくのが望ましいでしょう。
ちなみに、御朱印帳はネットや町の文具店などでも購入することができます。
また、寺社でオリジナルの御朱印帳を用意しているところも多いので、そちらで授与していただくことも可能です。
昨今では数多くの御朱印帳が出回っているので、その中から自身の好きなデザインのものを探してみてはいかがでしょうか。
尚、御朱印帳には二つの種類があり、一つは「蛇腹(じゃばら)」タイプ、もうひとつは「和綴じ(わとじ)」と呼ばれるものです。
蛇腹はアコーディオンの様に折りたたみ式になっているもので、和綴じはノートや本の様にページをめくって使うタイプになります。
また、寺社で用意されている御朱印帳の多くは蛇腹になり、和綴じのものは市販されているケースが多いようです。
御朱印をもらう方法とは?
御朱印帳を用意したら、いざ寺社へ参拝に行きましょう。
御朱印は基本的に社務所や授与所と呼ばれるところでもらうことができます。
もし寺社内でしかるべき場所が見つからない場合は、神職さんや巫女さんに尋ねてみましょう。
ちなみに、大きな寺社の場合は、専用の御朱印授与所を設けている場合があります。
有名なところではそこで番号札を渡され、御朱印を受けるまで待つケースもありますので、寺社ごとの決まりや指示に従いましょう。
また、御朱印は直接押印・墨書きしてくれるものだけではありません。
中には御朱印帳に直接書いてもらうのではなく、既に書いてある紙をいただくケースもあります。
その際は書き置きの御朱印をいただき、御朱印帳にのりなどで貼っておきましょう。
御朱印をもらう際の注意点
寺社に行けば、いつでも御朱印をいただける訳ではありません。
小さなところだと、昼食時に社務所を閉めていたり、場合によっては夕刻には受付が終わっているところも少なくないため、参拝前に必ず受付時間を調べておきましょう。
また、御朱印をいただく際にはしかるべき代金を納めるケースが主です。多くは300〜500円程度となりますが、中には無料、ないし「お気持ちで」と告げられる場合もあります。
その場合はページあたり300円程度を納め、無料と言われた場合は賽銭箱にいくらか入れておくのがお勧めです。
ちなみに、神社では御朱印や授与品のお代のことを初穂料(はつほりょう)と呼びます。
また、御朱印巡りが目的となると、ついご本尊やご祭神への挨拶を忘れて寺社に着いたら御朱印受付に直行してしまうこともあるでしょう。
ご挨拶を先に行わないと失礼にあたりますから、気を付けるようにしましょう。
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