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法要などでよくみられる卒塔婆(塔婆)について知ろう

法要などでよくみられる卒塔婆(塔婆)について知ろう

法要や納骨の際、よくみられるのが卒塔婆(塔婆)という木の板です。
一般生活ではあまり目にすることがない複雑な文字が書かれており、複数本が墓地に並べられています。
これには、いったいどのような意味があるのでしょうか。

ここでは、卒塔婆(塔婆)についてご紹介していきます。

卒塔婆とは

卒塔婆(塔婆)の特徴

卒塔婆(塔婆)の特徴

卒塔婆と書いて、「そとば」「そとうば」「そうとうば」、もしくは塔婆で「とば」と呼びます。

名前を聞いたことがない人でも、そのものを目にしたことがある人は少なくないことでしょう。
法要や納骨の際、かならずといってよいほど飾られているためです。

難しい漢字が書かれているのが特徴的な細長い木製の板です。
現代における日本語の解釈では読解が難しいため、どこか異国の言葉のようにも思えるかもしれません。

それもそのはず、梵字は昔のサンスクリット語を文字に書き表したものになり、インドで使用されるブラーフミー系文字の漢訳であるためです。
そもそも、卒塔婆(塔婆)自体もインドが由来です。

卒塔婆という言葉もまた、遺骨を納める塔を表すサンスクリット語「ストゥーパ」が語源になっていて、仏教伝来によってもたらされた文化や習慣のひとつです。

比較的身近に見ることのできる卒塔婆(塔婆)ですが、このように深い歴史を有する存在なのです。

卒塔婆の独特な形状について

卒塔婆(塔婆)は、長さ1~2メートルほどの細長い木の板になっています。
ただし、かまぼこ板のようなきれいな長方形をしているわけではありません。
上部には、何とも不規則に刻まれた切り込みが確認できるはずです。そしてもちろんこれには、重要な意味があります。

切り込みで作られた形は、主に5種類あります。
これはそれぞれ、空・風・火・水・地を表わしていて、具体的には、宝珠形は「空」、半円が「風」、三角形は「火」、円は「水」、一番下の四角形が「地」といった具合です。

仏教では、これら5要素が世界を構成していると考えられており、卒塔婆(塔婆)によってそんな世界観が表現されています。

卒塔婆を立てる理由とは?

卒塔婆を立てる理由とは?

前述の通り、卒塔婆の語源はサンスクリット語の「ストゥーパ」です。
インドでは遺骨を納める塔のことですが、卒塔婆(塔婆)の形状にはこの塔の形が由来しています。

本来「ストゥーパ」は、五重の形状をした塔になっています。
日本の寺社仏閣などでも目にすることができるあの「五重塔」です。
そしてこの五重塔の5つの重なりもまた、空・風・火・水・地の5要素で世界を表しています。

こうしたことから、卒塔婆(塔婆)を立てることには五重塔を建てるという意味が込められています。
先祖の遺骨を供養する五重塔「ストゥーパ」を象(かたど)った木の板を法要などで建てることにより、先祖供養ができるといった仕組みです。

また卒塔婆(塔婆)を立てることには「善を積む」という意味も含まれていて、故人の冥福や、自身の善行としても深い役割を果たすものになります。

卒塔婆に書かれていることとは

卒塔婆にはどんなことが書いてあるの?

板に書かれた梵字を日常的に使っている日本人は、ほとんどいないでしょう。
それだけに、卒塔婆(塔婆)を一見しただけで内容を理解することは、容易でありません。
いったい、どのようなことが書かれているのでしょうか。

主には、故人が僧侶につけてもらった名前である戒名、没年月日、仏教の経文、卒塔婆(塔婆)を依頼した施主名、そして供養年月日になります。
つまり、故人によって厳密な内容は異なります。

一般的な観点から見ると、どれも同じように思えるかもしれませんが、実はどれも故人それぞれに対して作られる存在となっています。

卒塔婆(塔婆)の立て方について

もちいるタイミングについてですが、前述に紹介した法要や納骨、そのほか、お盆やお彼岸でも使用します。
故人への追善供養のために用いるものであるため、先祖に祈りをささげるタイミングで必要になります。

ただし、数ある仏教宗派の中でも浄土真宗はそもそも追善供養の風習がないため使用しません。
この宗派にはそのほかにも、般若心経は唱えない、位牌を用いない、線香を立てないなど、少々変わった決まりがみられます。

これは、人は亡くなったらすぐに極楽浄土に導かれると説いていて、そもそも供養が必要ないためです。
浄土真宗の人は、間違えないように気をつけましょう。

卒塔婆を実際に用意する場合は、寺院や公営墓地、民営霊園に依頼して作ってもらう形となります。
費用は1枚1,000円からと、そこまで高価なものでもないので安心してください。
手書きが基本ですが、近年は専用のプリンターなどで印刷されることもあり、手軽に制作しやすくなってきているためです。
近代化によって、宗教道具や方法も進化してきていますね。

ただ、故人を丁重に追善供養したい、昔からの風習に倣って行いたいと考えるのであれば、10,000円以上の高級品も選ぶことが可能です。
予算や故人への思い入れ、感謝の度合いで検討するとよいでしょう。

立て替えるペースは、法要のたびに新しく用意するのが一般的です。
木製なので、雨風で劣化してしまいやすいためです。
古いものの処分については、寺院や公営墓地、民営霊園など管理者にお願いすることができます。

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